はじめに「今期の決算は黒字だったのに、なぜか通帳の残高は去年より減っている」「税理士に聞いても『利益と現金は違いますから』と言われるだけで、結局どこにお金が消えたのか納得できない」中小企業の社長から、最も多く聞かれる切実なお悩みがこれです。一生懸命に売上を作り、経費を抑えてようやく出した「黒字」。それなのに手元にお金(現金)が残っていないと、「自分の経営が間違っているのではないか」と不安になりますよね。しかし、安心してください。利益と手元の現金がズレる現象には、決算書の数字にハッキリとした「5つの原因」が存在します。こんにちは、元銀行員FPの青栁です。今回は、難しい会計用語を使わずに、「いくら・なぜ・どこへ現金が消えたのか」を社長ご自身で1円単位で把握できるようになる、利益と現金のギャップの読み解き方を分かりやすく解説します。結論:なぜ「利益」と「現金」はズレるのか?結論から言うと、決算書(PL:損益計算書)は「儲かったかどうか」を計算する表であり、「実際の現金の出入り」を記録する表ではないからです。このズレを生む最大の要因は、以下の2つのルールの違いにあります。PL(損益計算書)のルール:商品を引き渡した時点で「売上」とする(※まだ入金されていなくても売上になる)。現金(通帳)のルール:実際に現金が動いた時点でのみ記録される。さらに厄介なことに、会社のお金の動きには、 「PLの経費にはならないのに、現金は出ていくもの(借金の元本返済など)」と、 「PLの経費になるのに、現金は出ていかないもの(減価償却費)」が混在しています。これらの食い違いが積み重なった結果が、「黒字なのにお金がない」という現象の正体です。本業の現金は「利益+減価償却費」で計算するズレの正体を暴く前に、一つだけ絶対に知っておくべき計算式があります。それが、会社が本業で稼いだリアルな現金(簡易キャッシュフロー)を求める式です。税引後利益 + 減価償却費 = 会社が本業で稼いだ現金「なぜ利益に減価償却費を足すの?」と思われるかもしれません。減価償却費とは、過去に買った高額な機械や車の代金を、数年に分けて「経費」として帳簿に計上しているものです。つまり、今期のPLでは「経費」として利益から引かれていますが、実際には今期、その分の現金は1円も出ていっていません(お金は機械を買った過去にすでに出ていっています)。そのため、帳簿上の利益に「実際には出ていっていない経費(減価償却費)」を足し戻すことで、その年に会社が本当に生み出した現金の額が分かるのです。💡 銀行からの評価(格付け)を知りたい経営者様へ 「黒字なのにお金がない状態を、銀行はどう見ているのか?」「自社の格付けを上げるには?」 決算書から自社の現在地と返済能力を診断できる『信用格付け分析レポート(全12P)』を無料プレゼント中!受取方法:無料ウェビナー参加後、特典をお受け取りいただけます。%3Ca%20href%3D%22https%3A%2F%2Fforms.gle%2FEBrDBX9FmiDihM646%22%20target%3D%22_blank%22%20rel%3D%22noopener%20noreferrer%22%20style%3D%22font-weight%3A%20bold%3B%20text-decoration%3A%20underline%3B%20color%3A%20%230056b3%3B%22%3E%0A%20%20%E2%96%B6%20%E8%87%AA%E7%A4%BE%E3%81%AE%E3%80%8E%E4%BF%A1%E7%94%A8%E6%A0%BC%E4%BB%98%E3%81%91%E5%88%86%E6%9E%90%E3%83%AC%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%88%E3%80%8F%E3%82%92%E5%8F%97%E3%81%91%E5%8F%96%E3%82%8B%EF%BC%88%E7%B0%A1%E5%8D%981%E5%88%86%E5%85%A5%E5%8A%9B%EF%BC%89%0A%3C%2Fa%3Eお金が消える!利益と現金のズレを生む「5つの要因」本業で稼いだ現金(利益+減価償却費)が分かったら、次は「それがどこへ消えたのか」を探します。原因は必ず以下の4つのどれか(減価償却費を合わせると5つ)に当てはまります。要因①:運転資金の増加(売掛金と在庫の膨張)売上が伸びている会社で一番多いのがこれです。商品が売れて「売上(利益)」は出ても、まだ入金されていない「売掛金」が増えたり、売るための「在庫」が増えたりすれば、手元の現金はその分だけ減ります。(※現金が売掛金や在庫に姿を変えた、と考えると分かりやすいです)要因②:設備投資1,000万円の機械を買っても、その年のPLの経費になるのは「減価償却費(例えば100万円)」だけです。しかし、通帳からは「1,000万円の現金」が確実に出ていきます。「今期は機械を買ったから金がない」という社長の実感は正しく、それがPLに反映されていないだけなのです。要因③:借入金の元本返済これも非常に見落とされがちです。銀行への支払利息はPLの「経費」になりますが、元本の返済は経費になりません。そして重要なのは、元本返済は「税金を払った後の利益」から支払わなければならないということです。年間3,000万円を返済する会社は、税引後利益で3,000万円を残さなければ現金が減っていく構造になります。要因④:法人税や保険料の資産計上法人税の中間納付などで、現金の支払時期がズレることがあります。また、「節税保険(1/2損金など)」に加入している場合、支払った保険料1,000万円のうち、経費になるのは半分の500万円だけですが、現金は1,000万円全額が出ていきます。節税をして現金を残そうとした結果、逆に手元資金が減ってしまう典型的なパターンです。自社はどれ?「お金がない」5つの危険なパターンお金が減る原因が分かると、自社が今どのような危険な状態にあるのか(5つのパターン)が判定できます。構造型:「本業で稼いだ現金」よりも「年間の借入返済額」の方が多い。慢性的な資金不足で、借り換え(リスケジュール等)の交渉が必須です。成長型:売上が伸びたことで売掛金や在庫が増え、現金が吸い取られている。短期の運転資金を銀行から確保する必要があります。投資型:稼いだ現金以上に、過剰な設備投資を行って資金繰りを圧迫している。滞留型:売上は横ばいなのに、回収不能な売掛金(不良債権)や売れない在庫(滞留在庫)が積み上がって現金を奪っている。流出型:社長への役員貸付金が増えている、過大な役員報酬、過度な節税保険などで、会社から無駄な現金が流出している。社長の「お金がない」は、このパターンのどれに当てはまるかによって、打つべき対策がまったく異なります。まとめ:銀行は「債務償還年数」で会社を評価する銀行が融資判断で最も重視する指標に「債務償還年数(いまの稼ぐ力で、借金を何年で完済できるか)」があります。債務償還年数 = (借入金 - 現預金) ÷ 本業で稼いだ現金(利益+減価償却費)この年数が「10年以内」であれば標準的、「20年超」になると実質的に返済能力なし(危険水域)と判断され、新規の融資が非常に難しくなります。「黒字だから倒産しない」というのは幻想です。会社が潰れるのは、赤字だからではなく、支払うべき現金が手元になくなったときです。決算書が出たら、PLの「利益」だけを見て満足するのではなく、「稼いだ現金が、設備、返済、運転資金のどこに、いくら使われたのか」を1円単位で把握する習慣をつけましょう。それが、会社を守る最強の財務戦略になります。さらに理解を深めたい方はこちら(関連記事)「利益と現金のズレ」の構造や、銀行の融資目線についてより深く知りたい方は、以下の記事もおすすめです。▶【FP監修】運転資金とは?売上が伸びるほど現金が減る理由・計算方法と黒字倒産を防ぐ対策売上拡大に伴って増える「運転資金(売掛金+在庫−買掛金)」の仕組みと、手元の現金を残す考え方を解説しています。▶【FP監修】財務キャッシュフローとは?マイナスは悪い?借入・返済の見方と銀行評価を元銀行員FPが解説本業で稼いだ現金と「借入の元本返済」のバランスが崩れる危険性や、銀行の評価基準(債務償還年数)について解説しています。▶【FP監修】役員借入金とは?返済時の税金や利息・放置するデメリットと社長の手取りを増やす方法上記5パターンの「流出型」に該当する、会社のお金と社長個人のお金の混同を防ぎ、資金繰りを改善する方法です。▶【FP監修】キャッシュフロー(CF)とは?利益はあるのにお金がない理由と黒字倒産を防ぐ見方営業CF・投資CF・財務CFの3つのバランスから、会社の現金の動きを読み解く基本を解説しています。よくある質問(FAQ)Q1. 黒字倒産とはどうして起こるのですか?「利益」が現金になって手元に戻ってくる前に、支払いで現金が尽きてしまうからです。急激な売上増による売掛金や在庫の膨張、過剰な設備投資、本業の稼ぎを上回る借入金の元本返済などが重なると、帳簿上のPLは黒字でも、通帳の残高がゼロになり倒産を引き起こします。Q2. 減価償却費は多いほうがいいのですか?少ないほうがいいのですか?どちらでもありません。過去の投資額とルールで機械的に決まるものです。任意に増減させるものではなく、「利益を操作するために意図的に減価償却費を計上しない(償却不足)」といった行為は、粉飾決算とみなされ銀行から最も嫌われます。Q3. 借入金の返済は経費にならないのですか?なりません。経費になるのは「支払利息」だけです。元本の返済は、経費をすべて引いて、さらに法人税を払った「税引後利益」の中から支払う必要があります。この事実を勘違いしていると、実際の必要利益額を大幅に見誤ることになります。Q4. 節税すれば手元にお金が残りますか?残らない(逆に減る)ケースが多いので注意が必要です。例えば、税金を100万円減らすために、経費として300万円の現金を先に支払うような節税策(一部の保険など)は、結果的に手元資金を200万円減らすことになります。資金繰りが厳しい会社が行うべきではありません。🎁 参加者限定3大特典つき!無料オンラインセミナーのご案内『手取り最大化と銀行評価を両立する!融資&格付け対策ウェビナー』「黒字だから大丈夫と安心し、稼ぎ以上の過大な借入返済を続けている」「通帳の残高が毎月ジリジリと減っているのに、原因が運転資金なのか設備投資なのか分解できていない」実はこれ、銀行が最も警戒する「資金管理能力のない危険な会社」の典型であり、自社の信用格付けを一発で下げてしまう最大の原因になります。「利益と現金のズレ」を正確に把握し、キャッシュを極大化する財務戦略こそが、手元の現金を残しながら、銀行が融資したくなる決算書作りと格付けアップに直結します。本セミナーでは、元銀行員FPが「会社と社長個人の手取りキャッシュを最大化させながら、いつでも好条件で銀行から融資を引ける」ための財務設計術を完全解説します!日時:毎週木曜日 10:00〜11:00(オンライン開催 / 顔出し不要・マイクOFF)豪華3大特典(セミナー申込 ➔ 参加 ➔ 全員にプレゼント)『5分でわかる!お金が残らない会社 10の原因診断マニュアル(PDF)』『経営者の手取りを最大化する!実践財務コラム厳選10選(PDF)』希望者限定!自社の『信用格付け分析レポート(全12P)』を個別作成お申し込み方法以下のボタン(Googleフォーム)から必要事項をご入力の上、お申し込みください。折り返し受講用のURLをお送りします。%3Ca%20href%3D%22https%3A%2F%2Fforms.gle%2FEBrDBX9FmiDihM646%22%20target%3D%22_blank%22%20rel%3D%22noopener%20noreferrer%22%20style%3D%22display%3A%20block%3B%20max-width%3A%20480px%3B%20margin%3A%2020px%20auto%3B%20padding%3A%2018px%2020px%3B%20background-color%3A%20%23ff6600%3B%20color%3A%20%23ffffff%3B%20text-align%3A%20center%3B%20font-size%3A%2018px%3B%20font-weight%3A%20bold%3B%20text-decoration%3A%20none%3B%20border-radius%3A%208px%3B%20box-shadow%3A%200%204px%206px%20rgba(0%2C0%2C0%2C0.1)%3B%22%3E%0A%20%20%E2%96%B6%20%E7%84%A1%E6%96%99%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%93%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%81%AB%E7%94%B3%E3%81%97%E8%BE%BC%E3%82%80%EF%BC%88%E7%B0%A1%E5%8D%981%E5%88%86%E5%85%A5%E5%8A%9B%EF%BC%89%0A%3C%2Fa%3E