はじめに「前年より売上が伸びたから、今期は合格点…そう安心していたのに、なぜか手元の現金は減っている」経営数字を見るとき、多くのオーナー経営者が「前期と今期の比較(前年差)」だけで判断を下してしまいがちです。「たまたま大型案件があっただけの黒字」に気づかず、強気の投資をしてしまう「じわじわと進行している構造的な悪化」を見落とし、手遅れになってしまう1期だけの比較は、時に経営の判断を狂わせる「罠」になります。こんにちは、元銀行員FPの青栁です。銀行員時代から現在に至るまで、FPとして数多くの決算書を分析してきました。今回は、PL・BSの数字の裏に隠された真実をあぶり出す、3期比較の正しいやり方を解説します。結論:3期比較は「絶対額」と「構成比」の2つを見る3期比較を成功させる最大のコツは、金額だけを追わないことです。必ず以下の2つのレンズをセットで使います。絶対額(いくら):売上や利益が「いくら増えたか・減ったか」という現象。構成比(何%):全体に対してその数字が「何%を占めるか」という構造。例えば、人件費が「1,000万円増えた(絶対額↑)」としても、売上に対する人件費率が「5%下がった(構成比↓)」のであれば、それは規模拡大に伴って生産性が向上している「良い兆候」だと判断できます。逆に、「絶対額が増えて、構成比も上がっている」場合は、その項目が会社を圧迫し始めているサインです。なぜ「1期比較」は読み間違えるのか?1年だけの比較だと、以下のような一時的な増減に目が曇らされてしまいます。たまたま今期だけ受注できた大型スポット案件補助金や保険金、資産売却などの一時的な収入採用や出店など、未来のための「先行投資」による一時的な利益の落ち込み3期を並べると、これが明確に分かれます。 PLの3期比較:売上が伸びるほど苦しくなる「歪み」を検知するPL(損益計算書)を見る際は、売上を「100%」としたときの構成比の推移を追います。チェックすべきは 「売上が増えているのに、粗利率(構成比)が下がっていないか?」【よくある危険な3期PLのパターン】1期目:売上 10億円 ➡ 粗利率 40% ➡ 営業利益率 7%2期目:売上 11億円 ➡ 粗利率 38% ➡ 営業利益率 5%3期目:売上 12億円 ➡ 粗利率 35% ➡ 営業利益率 2.5%売上(絶対額)は毎年綺麗に伸びています。しかし、粗利率(構成比)は40%から35%へ一方通行で悪化しています。これは「単発のブレ」ではなく、値引きの常態化、原価高騰の放置、あるいは「売れば売るほど薄利になる商品」ばかりが伸びているという“構造の歪み”を証明しています。BSの3期比較:資金繰り悪化の“芽”を早期発見するBS(貸借対照表)では、総資産を「100%」とし、お金の置き場所の推移を追います。現預金比率がじわじわ下がっている売掛金比率・在庫比率がじわじわ上がっている借入金比率がじわじわ上がっているこの3期の推移が確認できたら、PLがいくら黒字であっても「本業で現金が作れず、増え続ける運転資金の山を、銀行からの借入(輸血)で必死に埋めている」という、黒字倒産前夜の構造が一発で見抜けます。例えば、【1期目】現預金 25%売掛金 20%在庫 15%借入金 30%【2期目】現預金 20%売掛金 23%在庫 18%借入金 35%【3期目】現預金 15%売掛金 26%在庫 20%借入金 40%このような推移であれば、「利益は出ているのに、現金は減り、借入への依存が強まっている」という構造が数字だけで読み取れます。単年度では気づけない変化も、3期並べることで経営改善のヒントが明確になります。銀行は「推移」を見て融資判断をしている銀行が融資審査で重視するのは、「今年だけ良い会社」ではありません。毎年少しずつ改善している会社なのか。それとも毎年少しずつ悪化している会社なのか。その流れを確認するために、複数年の決算書を比較しています。つまり、経営者自身が3期比較を行えるようになることは、銀行と同じ視点で自社を見ることにもつながります。まとめ:3期比較で「気合の経営」から「設計の経営」へ1期比較は単発のブレに惑わされやすい。3期並べて初めてトレンドが分かる。絶対額(現象)だけでなく、構成比(構造)の推移を追う。特別損益や補助金などの一時的な要因は、比較前に「別枠」に隔離する。数字を3期並べるというひと手間をかけるだけで、決算書は「税務署に出すための過去の書類」から、「会社の未来の危機を予兆し、次の一手を導くための最強のシミュレーター」に生まれ変わります。よくある質問Q. なぜ3期比較が重要なのですか?1期だけでは一時的な要因に左右されます。3期比較をすることで、会社の数字が改善しているのか、悪化しているのかという「流れ」を把握しやすくなります。Q. PLとBSはどちらを優先して見るべきですか?まずはPLで利益構造の変化を確認し、その後BSで資金繰りや財務体質の変化を確認するのがおすすめです。両方を合わせて見ることで、数字の背景まで理解できます。Q. 比較する期間は3期で十分ですか?多くの場合は3期比較で十分です。ただし、大きな設備投資や事業転換があった場合は、5期程度までさかのぼると、より正確に経営の変化を把握できます。さらに理解を深めたい方はこちら3期比較で「変化」に気付けても、その原因を特定するには、それぞれの財務指標を深く理解することが重要です。あわせて読むことで、数字のつながりがより明確になります。▶ 売上は増えているのに利益が減る原因はこちら【FP監修】マージンミックスとは?売上は増えているのに利益が減る理由と改善方法を元銀行員FPが解説▶ 黒字なのに資金繰りが苦しくなる理由はこちら【FP監修】運転資金とは?売上が伸びるほど現金が減る理由と黒字倒産を防ぐ方法を元銀行員FPが解説 ▶ 銀行が見る会社の安全性はこちら【FP監修】会社の倒産リスクはどう見る?自己資本比率・流動比率・当座比率など3つの安全性指標を元銀行員FPが解説最後に最後までお読みいただき、ありがとうございました。この記事が、自社のお金について考えるきっかけになれば嬉しいです。もし、「利益は出ているのに、なぜお金が残らないのだろう?」「もっと会社にお金が残れば、どんな経営ができるだろう?」そう感じたら、まずは、自社の現在地を確認してみてください。🎁 LINE登録者限定プレゼント5分でわかる!利益は出ているのに、お金が残らない会社10の原因診断たった10個の質問で、自社にお金が残る経営への第一歩が見えてきます。この診断で得られること✅ 自社にお金を残すために、何から始めればいいかが分かる✅ お金の流れが見え、自信を持って経営判断できるようになる✅ 自社の未来の選択肢を広げるヒントが見つかるさらにLINEでは、元銀行員FPが、会社と社長に、お金と安心を残すための経営判断に役立つ情報をお届けしています。お受け取り方法① 下のボタンからLINEに登録② LINEで 「現在地」 と送るだけ③ 無料特典をすぐに受け取れます。会社と社長にお金が残ると、未来の選択肢が増えます。その第一歩として、まずは自社の現在地を確認してみませんか。%3Cdiv%20style%3D%22text-align%3Acenter%3B%20margin%3A40px%200%3B%22%3E%0A%0A%3Ca%20href%3D%22https%3A%2F%2Flin.ee%2FuSKIdlG%22%0A%20%20%20target%3D%22_blank%22%0A%20%20%20rel%3D%22noopener%20noreferrer%22%0A%20%20%20style%3D%22%0A%20%20%20%20%20%20display%3Ainline-block%3B%0A%20%20%20%20%20%20background%3A%2306C755%3B%0A%20%20%20%20%20%20color%3A%23ffffff%3B%0A%20%20%20%20%20%20text-decoration%3Anone%3B%0A%20%20%20%20%20%20padding%3A18px%2048px%3B%0A%20%20%20%20%20%20font-size%3A20px%3B%0A%20%20%20%20%20%20font-weight%3Abold%3B%0A%20%20%20%20%20%20border-radius%3A999px%3B%0A%20%20%20%20%20%20box-shadow%3A0%208px%2020px%20rgba(0%2C0%2C0%2C.15)%3B%0A%20%20%20%20%20%20transition%3Aall%20.3s%20ease%3B%0A%20%20%20%20%20%20font-family%3A-apple-system%2CBlinkMacSystemFont%2C'Helvetica%20Neue'%2C'Yu%20Gothic'%2Csans-serif%3B%0A%20%20%20%22%3E%0A%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E3%81%AB%E3%81%8A%E9%87%91%E3%81%8C%E6%AE%8B%E3%82%8B%E7%B5%8C%E5%96%B6%E3%81%AE%E7%AC%AC%E4%B8%80%E6%AD%A9%E3%82%92%E5%A7%8B%E3%82%81%E3%82%8B%0A%3C%2Fa%3E%0A%0A%3C%2Fdiv%3E%0A