はじめに「決算書では黒字なのに、なぜか常に資金繰りに追われている気がする…。」「本業は厳しいけれど、不動産収入があるから大丈夫、これって経営として健全なのだろうか?」そんなふうに、表面上の「黒字」と手元の「実感」のズレに不安を感じてはいませんか?「利益は出ているはずなのに、借入の返済だけで手元にお金が残らない」「銀行から見て、自社の収益力はどう評価されているのか不安だ」もしそうお考えなら、あなたは「営業利益」と「経常利益」の使い分け、そして利息の重さを測る指標を知るべきタイミングかもしれません。こんにちは、元銀行員FPの青栁です。営業利益と経常利益は、どちらも会社の利益を表す重要な指標ですが、役割は大きく異なります。営業利益は「本業だけでどれだけ利益を生み出しているか」を表し、経常利益は営業利益に受取利息や支払利息などの営業外損益を加えた「会社全体の通常の利益」を表します。この違いを理解することで、「利益は出ているのに資金繰りが苦しい理由」や「銀行が会社をどう評価しているのか」が見えやすくなります。銀行員時代から現在に至るまで、FPとして多くの決算書を分析してきましたが、倒産リスクのある会社ほど「経常利益(最終的な結果)」だけを見て、本業の「営業利益(実力)」の衰えを見逃しています。今回は、会社の「本業の稼ぐ力」と「財務の重さ」を正しく読み解くためのポイントを整理します。営業利益は「本業」、経常利益は「通常運転」の採点表営業利益と経常利益の違いを一言でまとめると、営業利益は「本業だけの利益」、経常利益は「会社全体の通常の利益」です。つまり、本業の実力を知りたいときは営業利益を、会社全体の収益力や財務の影響まで含めて確認したいときは経常利益を見ることが重要です。まず、この2つの利益の役割を明確に分けましょう。営業利益:本業の実力。ビジネスモデルそのものが成立しているか。経常利益:本業に「利息の支払い」や「副収入(家賃など)」を含めた、会社としてのトータルの稼ぎ。ここで重要なのは、「経常利益が黒字でも、営業利益が赤字なら、その会社の本業は病んでいる」という事実です。副収入で本業の赤字を埋めている状態は、一見安心に見えても、現場の疲弊や競争力の低下を見えにくくさせてしまいます。「利息の重さ」を数値化するインタレスト・カバレッジ・レシオ利益だけを見ていても、「借入利息がどれくらい経営を圧迫しているか」は直感的に分かりません。そこで使うのがインタレスト・カバレッジ・レシオです。一言でいえば、「利息を払う力が、利益(稼ぐ力)に対してどれだけあるか」を測る指標です。計算式:利息を払う前の利益 ÷ 支払利息【目安の読み方】1倍割れ:利息を利益で賄えていない(極めて危険な状態)。1〜2倍台:利息が重い。景気悪化で即座に資金繰りが詰まるリスクあり。3倍以上:比較的余裕がある。具体例:飲食業で「家賃収入」がある会社はどう見る?例えば、レストラン(本業)を経営しながら、ビルの一部を貸して家賃収入を得ているケース。飲食事業(本業):営業利益 ▲50万円(本業は赤字)不動産(副収入):受取家賃 +120万円、利息支払 ▲30万円会社全体:経常利益 +40万円(会社としては黒字)この会社は「黒字だから安心」ではありません。「飲食事業という本業が、不動産収入に食わせてもらっている」状態です。本業の赤字を放置すれば、いずれ不動産収入でも支えきれなくなる日が来ます。このように、事業を分けて管理し、営業利益を追うことが経営改善の第一歩です。逆パターン:営業利益はあるのに、利息で経常利益が弱い逆に、本業は稼げているのに(営業黒字)、過去の多額の借入利息が重すぎて、会社全体で利益が残らない(経常利益が薄い)ケースもあります。この場合、インタレスト・カバレッジ・レシオは低くなり、「少しの環境変化で利息が利益を食い尽くす」リスクを抱えています。ここでは、「返済条件の交渉」や「借換による金利削減」といった財務戦略が、本業の改善以上に重要になります。まとめ:3つの指標で経営の視界をクリアにする営業利益 ➡ 「本業」で価値を生み出せているか?経常利益 ➡ 「通常運転」で会社にお金が残っているか?インタレスト・カバレッジ・レシオ ➡ 「利息」に耐える余力はあるか?この3点をセットで見ることで、「どこを直せばお金が残るのか」が明確に見えてきます。よくある質問(FAQ)Q. 営業利益と経常利益の違いは何ですか?営業利益は、本業だけでどれだけ利益を生み出しているかを表す指標です。一方、経常利益は営業利益に受取利息や支払利息など営業外損益を加えた利益で、会社全体の通常の収益力を表します。Q. 営業利益が赤字でも経常利益が黒字になることはありますか?あります。例えば、不動産収入や受取配当金など営業外収益が本業の赤字を上回れば、営業利益は赤字でも経常利益は黒字になります。ただし、本業の収益力は低下している可能性があるため注意が必要です。Q. 銀行は営業利益と経常利益のどちらを重視しますか?銀行はどちらも確認します。営業利益では本業の収益力を、経常利益では利息負担なども含めた会社全体の収益力を確認します。さらに営業キャッシュフローや財務状況などもあわせて総合的に判断します。Q. インタレスト・カバレッジ・レシオとは何ですか?インタレスト・カバレッジ・レシオは、会社が本業で稼いだ利益で支払利息を何倍まかなえるかを示す指標です。数値が高いほど利息負担に余裕があり、低いほど借入金の負担が重い状態と判断されます。さらに理解を深めたい方はこちら営業利益や経常利益を正しく読み解くためには、PL・BS・CFをセットで理解することが重要です。さらに理解を深めたい方は、こちらの記事もおすすめです。▶【FP監修】キャッシュフロー(CF)とは?利益はあるのにお金がない理由と黒字倒産を防ぐポイントを元銀行員FPが解説利益と現金の違いを理解し、資金繰りを改善する考え方を詳しく解説しています。▶【FP監修】貸借対照表(BS)とは?見方・読み方を元銀行員FPがわかりやすく解説|黒字倒産を防ぐ財務の基本 営業利益だけでは分からない会社の財務体質や安全性の見方を解説しています。▶【FP監修】会社の倒産リスクはどう見る?自己資本比率・流動比率・当座比率など3つの安全性指標を元銀行員FPが解説銀行が重視する安全性指標や、倒産リスクを判断するポイントを紹介しています。▶【FP監修】財務キャッシュフローとは?借入・返済から会社の資金繰りと銀行評価を読み解く方法借入や返済が経営に与える影響や、銀行からの評価につながる財務キャッシュフローの見方を詳しく解説しています。最後に最後までお読みいただき、ありがとうございました。この記事が、自社のお金について考えるきっかけになれば嬉しいです。もし、「利益は出ているのに、なぜお金が残らないのだろう?」「もっと会社にお金が残れば、どんな経営ができるだろう?」そう感じたら、まずは、自社の現在地を確認してみてください。🎁 LINE登録者限定プレゼント5分でわかる!利益は出ているのに、お金が残らない会社10の原因診断たった10個の質問で、自社にお金が残る経営への第一歩が見えてきます。この診断で得られること✅ 自社にお金を残すために、何から始めればいいかが分かる✅ お金の流れが見え、自信を持って経営判断できるようになる✅ 自社の未来の選択肢を広げるヒントが見つかるさらにLINEでは、元銀行員FPが、会社と社長に、お金と安心を残すための経営判断に役立つ情報をお届けしています。お受け取り方法① 下のボタンからLINEに登録② LINEで 「現在地」 と送るだけ③ 無料特典をすぐに受け取れます。会社と社長にお金が残ると、未来の選択肢が増えます。その第一歩として、まずは自社の現在地を確認してみませんか。