年収1000万の手取りは意外と少ない一般的に、会社員の手取り額は「額面金額の7〜8割程度」と言われています。つまり年収1000万の手取り額は、おおよそ700〜800万円です。「意外と少ない…」と思う方も多いのではないでしょうか。そして200〜300万円は、以下の税金や保険料として引かれています。所得税住民税社会保険料特に所得税は収入が高いほど税率も高くなるため、年収1000万の方の税率は33%もあります。「こんなに税金で取られるとは思っていなかった…」という方が多いでしょう。このように、たとえ年収は上がっても手取り額は増えにくく、「年収1000万でも生活に余裕がない」という状況が生じやすいです。年収1000万はサラリーマンにとって特別な数字ですが、気持ちを緩めることなく、適正な家計管理を心がけましょう。参考:国税庁|所得税の税率年収1000万の生活レベルサラリーマンの方で「年収1000万でも生活に余裕がない」という場合は意外と多いです。そこで年収1000万の場合、以下の3つに関して、どのレベルの生活を送れるかを解説します。家賃・住宅ローン教育費娯楽費それぞれ見ていきましょう。家賃・住宅ローン一般的に住宅費は、収入の25〜30%ほどが適正と言われています。つまり年収1000万で賃貸に住む場合は、家賃15〜20万円程度が目安になります。1人暮らしなら都心で生活できますし、配偶者がいる場合でも都心の近くに住めるでしょう。また年収1000万であれば、持ち家を購入することも可能です。返済期間20年〜35年で5000万円程度の住宅ローンを組めるでしょう。ただし限度額をギリギリでローンを組んでしまうと、子供が生まれて出費が増えた場合や、年収が下がった場合に返済が大変になってしまうので、注意してください。このように年収1000万の方は、計画的にローンを組んだり、適切な家賃の物件に住んだりすれば、快適に暮らせるでしょう。教育費教育費は、子供1人が幼稚園からすべて国公立校に通った場合は約800万円、すべて私立校に通った場合は約2,400万円必要です。内訳は以下の通りです。 幼稚園小学校中学校高校4年制大学合計国公立70万円190万円145万円135万円250万円790万円私立160万円960万円420万円290万円520万円2350万円また一般的に、教育費は収入の10%ほどが適正と言われています。そのため年収1000万の方は「高校までは国公立で、大学だけは私立」のように、国公立と私立を混在させれば問題ないでしょう。しかし「幼稚園からすべて私立校に通わせたい」となると、年収1000万では足りない可能性が高いです。もちろん「子供が望む進路はできるだけかなえてあげたい!」という方がほとんどですが、現実的にどの進路が実現可能かシミュレーションしてください。参考:日本学生支援機構|学生生活調査結果参考:文部科学省|子供の学習費調査の結果について娯楽費年収1000万の方の中には「意外と生活に余裕がない…」という方もいますが、その原因は娯楽費にあることが多いです。なぜなら、年収1000万はサラリーマンにとって特別な数字のため、気持ちが緩んでしまい、娯楽費が増えやすいからです。例えばブランド物を衝動買いしたり、高級店でのランチが当たり前になったりすれば、生活に余裕はなくなります。もちろんストレス発散は必要ですが、気持ちを緩めることなく、適正な家計管理を心がけましょう。目安としては、娯楽費は収入の5%ほど、毎月3万円ほどに抑えると良いでしょう。年収1000万を稼げる職業3選サラリーマンで年収1000万を稼げる職業は、以下の3つです。商社マンコンサルタントパイロットそれぞれ解説します。商社マン商社マンとは、原料や加工品などの商材を取り扱って、ビジネスの仲介役として、売り手と買い手をマッチングさせる仕事です。特に総合商社は、業界別40歳の平均年収ランキングでトップの業界であり、5大商社と呼ばれる伊藤忠商事三菱商事三井物産丸紅住友商事の平均年収は約1512万円です。さらに外国企業との商談や海外転勤など、グローバルな経験もできるため、自身の市場価値を高められるでしょう。そのため、とにかく稼ぎたい方や海外で働いてみたい方、自身の市場価値を上げたい方は、総合商社に挑戦してみてください。コンサルタントコンサルタントとは、クライアントの課題を解決するために、経営の分析や施策提案をする仕事です。そして業界別40歳の平均年収ランキングでは、総合商社に次ぐ2位となっており、20代で600〜1000万円、30代で2000〜5000万円、40代で1億円以上稼げると言われています。パイロットパイロットとは、乗客や貨物を運ぶ航空機を操縦する仕事で、平均年収は1140万円です。日本人の平均年収は約440万と言われているため、かなり高待遇です。またパイロットは、「ロスオブライセンス」という特殊な保険に加入でき、健康上の問題で操縦が不可能と判断された場合は、老後まで毎月50〜60万円を補償してもらえます。さらに疲労の影響による事故を発生させないために、航空法で仕事時間が厳格に決められており、残業が発生しないホワイトな仕事としても人気です。年収1000万の仕事について詳しく知りたい方ははこちらの記事も参照してみてください。おすすめの節税方法を3つ紹介年収1000万の方におすすめの節税方法は、以下の3つです。確定拠出年金ふるさと納税生命保険料控除それぞれ解説します。確定拠出年金確定拠出年金とは、公的年金(国民年金・厚生年金)とは別に、自分で老後資産を作るための私的年金制度です。また確定拠出年金の中でも、企業型を「企業型DC」、個人型を「iDeCo(イデコ)」と呼びます。そして確定拠出年金のメリットは、以下の2つです。売却益等が非課税所得税と住民税が軽減される通常は金融商品を運用すると、運用益等に20.315%が課税されます。しかし確定拠出年金の場合は完全非課税のため、効率的に資産形成ができます。さらに確定拠出年金で支払う毎月の掛金は、全額所得控除されるため、当年分の所得税と翌年分の住民税が軽減されます。実際にどれくらいの節税効果があるのか、以下の条件で試算してみましょう。職業:会社員年収:1,000万円企業型DCの掛金:毎月23,000円 企業型DCなし企業型DCあり節税額所得税額1,070,600円1,007,120円63,480円住民税額742,000円714,400円27,600円合計1,812,600円1,721,520円91,080円上記の結果から分かるように、確定拠出年金によって10万円ほどの節税効果が見込めます。節税を考えている方は、まずは確定拠出年金を始めましょう。参考:企業年金連合会|確定拠出年金のしくみふるさと納税ふるさと納税とは、自分の住んでいる地域ではなく、応援したい地方自治体に納税できる制度です。ふるさと納税のメリットは、以下の2つです。地方自治体の名産品を受け取れる所得税と住民税が減額されるまずふるさと納税をすると、納税額の30%相当のお米やお肉、フルーツなど、その地方自治体の名産品を返礼品として受け取れます。また、納税額のうち2,000円を超える金額は、翌年の所得税と住民税から減額されます。実際にどれくらいの節税効果があるのか、以下の条件で試算してみましょう。職業:会社員年収:1,000万円家族構成:夫、妻、子ども(15歳)上記の場合、ふるさと納税の上限額は200,000万円が目安です。そのため200,000円のふるさと納税をすると、翌年の所得税と住民税から198,000円減額され、約60,000円相当の返礼品がもらえます。このようにふるさと納税は、実質自己負担額2,000円のみで、地域の名産品がもらえるお得な制度です。そのため節税を考えているサラリーマンの方は、ふるさと納税を活用すると良いでしょう。参考:総務省|よくわかる!ふるさと納税生命保険料控除生命保険料控除とは、支払った生命保険料に応じて、その年の所得税と住民税が軽減される制度です。また生命保険料控除には、2012年以降が契約始期の「新制度」と、2011年以前が契約始期の「旧制度」があり、「新制度」は以下の3つに分けられます。一般生命保険料控除介護医療保険料控除個人年金保険料控除そして3種類の生命保険料控除は、それぞれ次のように計算されます。所得税住民税年間の支払い保険料控除額年間の支払い保険料控除額〜20000円支払い保険料の全額〜12000円支払い保険料の全額20001円〜40000円(支払い保険料×0.5 +10,000) 円12001円〜32000円(支払い保険料×0.5 +6,000) 円40001円〜80000円(支払い保険料×0.25+20,000) 円32001円〜56000円(支払い保険料×0.25+14,000) 円80001円〜一律40,000円56001円〜一律28,000円実際にどれくらいの節税効果があるか、以下の条件で試算してみましょう。職業:会社員年収:1,000万円年間保険料:30万円上記の場合、所得税は24,000円、住民税は7,000円、合計3万1,000円の節税になります。さらに年間保険料が30万円で、3%の運用が出来た場合、節税額も加味すると約13%の運用となるため、つみたてNISAなどと比較しても優れた資産形成と言えます。生命保険に加入されている方は、ぜひ有効活用してください。参考:生命保険文化センター|生命保険料控除制度とはまとめ 年収1000万の手取りについて年収1000万の手取り額は、おおよそ700〜800万円です。中には「意外と少ない…」と思う方もいると思いますが、都心で生活したり、マイホームを購入したりできるため、問題ないでしょう。さらに子供の進路に関しても「高校までは国公立で、大学だけは私立」のように、選択肢を増やしてあげられます。しかし、ブランド物を衝動買いしたり、高級店でのランチが当たり前になったりすれば、生活に余裕はなくなります。年収1000万はサラリーマンにとって特別な数字ですが、気持ちを緩めることなく、適正な家計管理を心がけてください。また「手取りを少しでも増やしたい」と考えている方は、確定拠出年金やふるさと納税、生命保険料控除を活用して、節税を試みると良いでしょう。しかし、自分一人で家計管理をしながら、節税も考えるのは難しいという方が多いと思います。そのような際には、一度専門家と面談してみてはいかがでしょうか。「まずは気軽にお金のことを相談してみたい!」という方にお勧めなのが、MoneypediaのオンラインFP相談サービスです。保険やライフプランをはじめとするお金のことをいつでも・どこでも・気軽に・何度でも専門家に相談することが出来ます。まずは一度、ご相談されてみてはいかがでしょうか。