そもそもNISA(ニーサ)とはNISA(ニーサ)とは、資産形成を行いたい投資初心者をサポートするための、投資非課税制度です。現行のNISAは、以下の3つに分けられます。投資資金に余裕がある方向けの「一般NISA」長期・積立・分散投資を支援する「つみたてNISA」未成年が利用できる「ジュニアNISA」上記3つのNISAに共通するメリットは、投資で得た売却益などに税金がかからないことです。通常の証券口座では、株式・投資信託で得た売却益に20.315%の所得税がかかりますが、NISA口座の場合は所得税はかかりません。例えば1株500円の銘柄Aを100万円分(2,000株)購入して、1年後に30%の利益が出て売却した場合、通常は以下の所得税がかかります。1,000,000円 × 30% × 20.315% = 60,945円しかしNISA口座の場合は、この 60,945円を払う必要がないため、資産形成を有利に進められます。興味がある方は、ぜひ始めてみましょう。参考:金融庁|NISAとは NISA制度の新旧をわかりやすく比較2024年1月から、NISA制度が大幅拡充されることが決定しました。新旧NISA制度を比較した表を作成したので、参考にしてください。 現行のNISA新NISA(2024年1月~)名称一般NISAつみたてNISA成長投資枠つみたて投資枠年間投資額120万円40万円240万円120万円保有期間5年20年無期限生涯投資上限額600万円800万円1200万円600万円利用可能期間2023年まで2042年まで恒久化投資額や保有期間が、大幅に拡充される新NISA。現行のNISA以上に、税優遇を受けられるため、投資初心者をはじめ幅広い年代の方にメリットがあるでしょう。ここからは、各変更点について解説していきます。参考:金融庁|新しいNISA 新NISAの変更点新NISAの変更点は、以下の5つです。制度の恒久化保有期間の無期限化生涯非課税限度額の設定年間投資上限額の引き上げ総枠残高の簿価管理それぞれ解説します。制度の恒久化新NISAは恒久化されるため、今後いつでも始められて、いつまでも続けられます。現行の一般NISAは2023年まで、つみたてNISAは2042年までと、これまでは利用できる期間が限定されていました。そのため「いつか終わる制度だと安心して投資できない」という声もあり、NISAに挑戦できずにいる方もいました。しかし2024年以降は、そのような心配をする必要がなく、より長期の投資が可能になるため、安心してNISAを始められるでしょう。これまでNISAに挑戦できなかった方は、この変更を機に、ぜひ始めてみてはいかがでしょうか。保有期間の無期限化新NISAでは、投資で得た利益に対する課税を免除する保有期間が、無期限化されます。現在のNISA制度では一般NISAが5年、つみたてNISAが20年と、保有期間に制限があります。そのため保有期間が無期限化されることで、20年以上の長期投資が可能になるでしょう。投資は長期で行うほうが大きな利益を期待できるため、保有期間の無期限化は非常に好ましい変化です。さらに、非課税期間が終了した際に、金融商品を別のNISA枠に移行する「ロールオーバー」の手続きも不要になるため、投資のハードルが下がることも期待できます。生涯非課税限度額の設定新NISAでは生涯非課税限度額が、総額1800万円(成長投資枠が1,200万円、つみたて投資枠が600万円)に設定されました。現行のNISA制度では、一般NISAが600万円(120万円 × 5年間)、つみたてNISAは800万円(40万円 × 20年間)が実質的な上限額です。そのため今よりも1000万円以上NISAでの運用が可能となり、NISAをさらに有効活用できるでしょう。また新NISAでの生涯非課税限度額は、現行のNISAと別枠とみなされます。つまり現行のNISAを利用している方も、2024年には限度額ゼロからスタートできるため、すでにNISAを利用していても不利になることはありません。むしろ合計の限度額は、現行のNISAを利用している方が多くなるため、ぜひ2023年からNISAを始めましょう。年間投資上限額の引き上げ新NISAでは、1年間に非課税で投資可能な金額が、合計360万円に拡大されます。現行のNISA制度では、一般NISAが年間120万円、つみたてNISAは年間40万円が投資上限額のため、大幅に引き上げられます。例えば、現行のつみたてNISAでは毎月33,333円(40万円÷12ヶ月)しか投資できませんが、新NISAのつみたて投資枠では、毎月10万円(120万円÷12ヶ月)の投資が可能です。このように年間投資上限額の引き上げによって、毎月の積立金額を大幅に増加できます。老後の資産形成も、さらに進めることができるでしょう。総枠残高の簿価管理新NISAの投資残高は、取得価格(簿価)で管理されるため、換金で空きができた枠を再利用できます。例えば100万円で買った投資信託が、150万円に値上がりした後に換金した場合、100万円分の優遇枠が復活します。現行のNISA制度では、一度換金してしまうと、その金額分の優遇枠は復活しません。そのため「途中で売却するのはもったいない」と意識する必要がありましたが、今後はこうした考慮の必要がなくなります。余分に積み立てておいて、将来お金が必要になった際に、部分的に解約して使うといった「財布代わり」的な使い方もあるため、NISAのハードルがかなり下がるでしょう。新NISAに関してよくある質問新NISAに関してよくある質問は、以下の3つです。これまで使っていたNISAはどうなる?NISAを始めるのは2024年まで待つべき?どのように買えばいい?それぞれお答えします。これまで使っていたNISAはどうなる?これまで使っていた一般NISAやつみたてNISAは、そのまま有効期限まで利用しつつ、新NISAをゼロから始められます。例えば2020年につみたてNISAを始めた方は、2040年まで優遇された運用を続けて、その運用と並行して、2024年からは新NISAでの投資を始められます。「これまでのNISAの資産はどのように新NISAに移行されるのかな」と不安に感じている方も多いですが、全く心配いりません。むしろ合計の非課税限度額は、現行のNISAを利用している方が多くなります。例:2040年までのつみたてNISAで800万円 + 2024年からの新NISA制度利用で1,800万円 = 2,600万円そのため現在使用しているNISAは、今まで通り運用して、2024年から新NISAも始めましょう。NISAを始めるのは2024年まで待つべき?NISAに興味がある方は、2024年の新NISA開始を待たずに、なるべく早く現行のNISAを始めるべきです。なぜなら新NISAでの生涯非課税限度額は、現行のNISAと別枠とみなされるからです。例えば2023年に一般NISAを始めた方は、生涯非課税限度額が1,920万円(一般NISAで120万円 + 新NISAで1,800万円)になるため、2024年以降に開始する方よりも税優遇を受けられます。また投資初心者の方は、できるだけ長期投資をして元本割れのリスクを減らしたほうが良いため、NISAに興味がある方は2023年から始めましょう。どのように買えばいい?投資初心者の方には、「ドルコスト平均法」という投資方法をおすすめします。ドルコスト平均法とは、金融商品を常に一定の金額で、定期的に買い続ける投資方法です。価格が高いときは少量、価格が低いときは大量に購入できるため、平均購入単価が下がり、より高いリターンを期待できます。具体的なメリットは以下の3つです。相場を細かくチェックする必要がない高値づかみを回避できる小額から始められる株価が上昇し続ける場合は、一括投資のほうが有利ですが、株価の動き方はプロでも予想できないため、機械的に購入して平均購入単価を下げる「ドルコスト平均法」がおすすめです。このように長期・積立投資と非常に相性がいいため、NISAを考えている人は、ドルコスト平均法も併せて考えてみてください。新NISAのまとめ新NISAは現行のNISAと比べて、5つの変更点があります。制度の恒久化保有期間の無期限化生涯非課税限度額の設定年間投資上限額の引き上げ総枠残高の簿価管理これらの変更によって、我々は資産形成のために、NISAをさらに有効活用できるようになりました。例えば現行のつみたてNISAでは、月々の投資上限額は3.3万円でしたが、新NISAでは月10万円まで投資できます。さらに、20年以上の長期投資もできます。長期・積立・分散投資のサポートを、今まで以上に受けられる新NISA。資産形成に興味がある方はぜひ始めてみましょう。しかし自分一人だけで資産形成を始めるのは、不安な方も多いと思います。そのような際には、一度専門家と面談してみてはいかがでしょうか?「まずは気軽にお金のことを相談してみたい!」という方にお勧めなのが、MoneypediaのオンラインFP相談サービスです。保険やライフプランをはじめとするお金のことをいつでも・どこでも・気軽に・何度でも専門家に相談することが出来ます。まずは一度、ご相談されてみてはいかがでしょうか。